頭皮に塗ると逆効果?――市販トリートメントがNGな成分と、浸艶が“塗って使うべき”理由【シリコン徹底解説】
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本記事は少し専門性が強くなります。
しかし、知っておくと必ず未来のあなたのためになる内容です。
多くの市販トリートメントが「毛先にのみ塗布」と案内する最大の理由はシリコンです。
シリコンは髪表面に疎水性の薄い皮膜を作り、指通り・ツヤ・まとまりを即効で良くします。
しかし頭皮ではその“皮膜性”が裏目に出ます。
洗浄で落ちにくい残留皮膜が毛穴付近に重なり、閉塞・ムレ・ベタつき・におい・かゆみなどの温床になり得る
――これが「毛穴詰まりリスク」と言われる理由です。
以下、市販で多用される代表的シリコン成分を列挙し、頭皮で起こり得る現象を整理します。
☆市販でよく見るシリコンと頭皮への影響☆
※オレンジ色の成分はよく使われる成分なので、視覚記憶でもいいので覚えておきましょう。
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ジメチコン(Dimethicone)
不揮発・高撥水。皮膜が水や穏やかな洗浄で落ちにくく、皮脂・角質と絡んでしつこい残留になりがち。毛孔周りの閉塞感の主因になり得ます。 -
ジメチコノール(Dimethiconol)
粘性が高く持続皮膜を作るため蓄積的。毛髪の手触り改善には優秀でも、頭皮では常在菌のバランスや通気を乱す一因に。 -
フェニルトリメチコン(Phenyl Trimethicone)
ツヤ・耐湿・耐熱に優れる“重め”の被膜。熱スタイリング耐性は上がる一方で、頭皮では密閉度が高い皮膜になりやすい。 -
アモジメチコン(Amodimethicone)
カチオン化シリコン。ケラチンへ強固に吸着し、耐シャンプー性が高いのが特徴。落ちにくい皮膜を形成し、頭皮に残ると蓄積→閉塞のリスクが上がります。 -
シクロペンタシロキサン(Cyclopentasiloxane/D5)・シクロヘキサシロキサン(D6)
揮発性で軽い仕上がりを作りますが、しばしば不揮発シリコンの“運び屋”として併用され、結果として残留皮膜の形成を助長。 -
メチルトリメチコン(Methyl Trimethicone)
低粘度で広がりが良く、一部は揮発。ただし他の不揮発シリコンと組み合わせると皮膜形成のブースターになりやすい。 -
(ビニル)ジメチコンクロスポリマー/シリコーンエラストマー類
スフレのような感触を付与する三次元ネットワーク皮膜。通気が悪く、頭皮に密着すると落ちにくい。 -
PEG-系ジメチコン/ジメチコール(例:PEG-12 Dimethicone)
水分散性で“落ちやすい”とされますが、頭皮にとって必要な成分ではなく、残留・積層の可能性はゼロではありません。
見分け方のコツ
成分表に**「〜メチコン」、「〜シロキサン」、「~クロスポリマー」が並んでいたら、それは毛先をコートする設計**。頭皮には塗らないのが基本です。
「毛先には◯、頭皮には×」になる理由の要約
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疎水皮膜の残留…頭皮の角質ターンオーバーや皮脂排出の妨げに。
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耐シャンプー性の高さ…毎日の軽い洗浄では十分に落ちず蓄積しやすい。
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マイクロエマルジョン化(※)…吸着・耐久を意図的に高める処方が増え、毛穴付近の閉塞を助長。
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頭皮は“皮膚”…顔に重い被膜を日常的に重ねないのと同じで、常在菌バランスや通気性を損なう厚い皮膜は相性が悪い。
※本来混ざり合わない「水」と「油」のような物質を「界面活性剤」の働きを利用して、微細な粒子にして安定な状態にする技術のこと。
まとめ
1.市販=毛先専用の最大要因はシリコン皮膜(+鉱物油等)。頭皮では残留→閉塞→ムレの負の連鎖に。
2.「〜メチコン」、「〜シロキサン」などのシリコン系成分が配合されているものは頭皮塗布完全NG。毛穴をふさぐ持続皮膜を形成の恐れ。
3.頭皮にも、髪にも有効的なモノを選ぶべき(髪だけにいい、なんていうのは本質的に良くない。土台は「頭皮」です。)