40代から髪の悩みが一つじゃなくなるのはなぜ?
Share
40代になってから、
「髪の悩みが一つじゃなくなった」
と感じることはありませんか?
白髪が増えてきた。
前よりうねる。パサつく。
トップがぺたんとする。分け目も気になる。
最初は一つだったはずなのに、気づけばいくつも重なっている。
僕は40〜60代の女性とお話ししていると、こういう相談が本当に多いと感じます。
僕が最初に伝えたいこと
悩みが増えたからといって、悩みの数だけ商品を増やす必要はないと思っています。
白髪には白髪用。うねりにはうねり用。ボリュームにはボリューム用。
そうやって一つずつ足していく前に、
今の髪だけではなく、その髪がつくられている頭皮まで考える。
僕なら、まずそこから考えます。
実際、40代以降は「白髪だけ」ではありません
2026年9月8日に発表された、全国20〜69歳の男女1,035人を対象にした「髪・頭皮の悩み実態調査」では、女性516人のうち82%が何らかの髪・頭皮の悩みを抱えていました。1
特に分かりやすいのが、40代以降です。
うねり・広がり 35.2%
パサつき・ダメージ 35.2%
うねり・広がり 46.4%
パサつき・ダメージ 29.5%
ハリ・コシ低下 25.9%
うねり・広がり 31.5%
ハリ・コシ低下 25.9%
ボリューム減少 22.2%
白髪が大きな悩みになる一方で、
うねり、パサつき、ハリ・コシ、ボリュームまで一緒に気になってくる。
僕がお客様と話していて感じていたことが、
数字にもかなり表れていると思いました。
40代になった瞬間、急に髪が変わるわけではありません
「40歳を超えたから、急に髪が老化した」
というほど単純な話ではありません。
ただ、年齢とともに髪や毛包でいくつかの変化が重なってくることは、研究でも確認されています。
日本人女性を調べた研究では、40代以降で毛髪密度が低下する傾向がみられ、成長期の毛の割合や毛髪の成長速度も低下していました。2
別の日本人女性230人の研究では、年齢とともに髪のツヤが低下し、一本一本の毛髪に不規則な湾曲が増えることが報告されています。毛髪内部の構造のばらつきも、その湾曲と関係していました。3
白髪については、毛包の中にある色素をつくる仕組みや、メラノサイト・色素幹細胞の加齢変化が関わっています。4
ここは一つにしない方がいいです
白髪、うねり、パサつき、ハリ・コシ低下、ボリューム減少。
全部が同じ原因で起きているわけではありません。
僕は、むしろここが大事だと思っています。
違う仕組みの変化が、同じ40〜60代という時期に重なってくる。
だから「最近、一気に悩みが増えた」と感じやすいんだと思います。
「更年期だから」で全部を説明しない
40〜60代は、更年期と重なる方が多い年代です。
女性ホルモンと毛髪に関係があることは知られていますが、
白髪、うねり、パサつき、ボリューム低下までを
「女性ホルモンが減ったから」の一言ですべて説明できるわけではありません。
僕は「年齢だから」と同じように、「更年期だから」で考えることを止めてしまうのも、もったいないと思っています。
髪そのもの、毛周期、毛包、頭皮。それぞれで何が起きているのかを分けて見る方が、自分のケアを考える材料になります。
だから僕は、悩みごとに商品を増やすのをおすすめしません
髪の悩みが増えると、商品も増やしたくなります。
白髪用の何かを足す。うねり用を足す。ボリューム用を足す。頭皮用も足す。
でも、正直それって、かなり面倒じゃないでしょうか。
毎日続けるケアなのに、悩みが増えるたびに工程まで増えていったら、僕なら続きません。
僕はそう考えています。
意識しなくても、呼吸と同じくらい自然に続けられる。
それくらいになって、初めて毎日のケアになると思うんです。
だから浸艶を作る時も、商品や工程を増やす方向にはしませんでした。
シャンプーで洗う。次に、髪にも頭皮にも使えるトリートメントで保湿する。
洗う工程と保湿する工程は分ける。
でも、普段のシャンプーとトリートメントという流れは増やさない。
僕にとっては、これも商品の機能と同じくらい大事な設計です。
だから僕は浸艶を、単に高級なシャンプーとトリートメントではなく、
「悩みがある方のための、頭皮の基礎化粧品」と考えています。
僕が頭皮まで見るようになった理由は、かなり単純です
髪だけをケアしていても、僕自身は何も解決につながらなかったからです。
昔の僕も、いろいろな謳い文句の商品を使いました。
使い始めは「いいかも」と思う。
でも2か月、3か月と経つと、気づけばまた元通りになっている。
それを何度も繰り返しました。
そこで僕は、
と考えるようになりました。
じゃあ、髪の根本はどこなのか。
僕が行き着いたのが、髪がつくられる毛包がある頭皮でした。
頭皮も皮膚です。
それなのに、顔は洗ったあと保湿するのに、頭皮は洗ってそのまま。
僕自身も長い間、そのことに疑問を持っていませんでした。
頭皮スコープで見て、髪だけ見ていた時には分からなかったこと
浸艶の開発中、僕は自分の頭皮をスコープで何度も見ていました。
当時の僕はフケがかなり多くて、頭皮は自分で見ても嫌になるくらい、
パリパリの砂漠みたいな状態でした。
白い塊や、浮いて見える部分も多かったです。
開発中のトリートメントは、最初から頭皮にも使い、
洗ったあとの頭皮を保湿することを考えて作っていました。
そして僕の場合は、それを使い始めて2、3日ほどで、
あれだけ目立っていたフケが消えました。
その後も同じようにスコープで見続けました。
2か月ほど経った頃には、特にずっと観察していたツムジ周辺で、
僕の目には以前より一本一本の毛が太く、同じ範囲に見える毛の本数も増えているのがはっきり分かりました。
ツムジは上から紫外線を受けやすい場所だと僕は考えていたので、
あえてそこを中心に見ていました。
これは、僕自身の頭皮を開発中に観察し続けた時に起きたことです。
この経験が、僕にとって「髪だけではなく、頭皮まで見る」という考えを決定的にしました。
科学的に見ても、髪と頭皮は切り離せません
髪の毛は、皮膚の表面に突然できるものではありません。
毛包は頭皮の中にあり、その周囲には真皮などの組織があります。
毛包と、その周りの頭皮環境は物理的にも別々の場所ではありません。
毛包の加齢を扱った研究レビューでも、髪の加齢は毛周期や毛包だけでなく、毛包を取り囲む頭皮の真皮環境まで含めて考える必要があるとされています。5
19〜81歳の女性22人の頭皮を調べた研究でも、40歳を超える群では真皮の構造やコラーゲンの組織などに年齢に伴う変化が確認され、毛包周囲の環境そのものが変化していることが報告されています。6
僕が「髪の土台として頭皮を見る」と言っているのは、単なるイメージの話ではありません。
髪は頭皮の中にある毛包でつくられている。
先ほど紹介した日本人女性の研究では、年齢とともに1本の毛を持つ毛包単位が増え、3本以上の毛を持つ毛包単位が減ることも報告されています。2
僕がスコープで「一本一本の太さ」や「同じ範囲に何本見えるか」をずっと見ていたのも、後から研究を読むと、全く的外れな見方ではなかったんだと思いました。
だから僕は、表面に出ている髪だけを見てケアを終わらせたくないんです。
僕はそう考えています。
ただ、白髪も、うねりも、全部を同じ話にはしません
ここは僕自身、かなり大切にしています。
頭皮を見ることが大事だからといって、白髪も、うねりも、抜け毛も、全部まったく同じ原因だとは考えていません。
仕組みは同じではありません。
でも、だからこそ僕は「髪の表面に何をつけるか」だけで終わらず、
髪がつくられる場所まで含めて見た方がいいと思っています。
僕は「40代までのケアの積み重ね」も見ています
これは僕の考えですが、40代になるまでに
してきたケアと、してこなかったケアの積み重ね
も無関係ではないと思っています。
僕がよく「ツケ」という言い方をするのは、40歳になった瞬間に突然すべてが始まる、という意味ではありません。
20代、30代と毎日続けてきたこと。逆に、ずっと見てこなかったこと。
それが年齢による変化と重なって、
40代くらいから見えやすくなることはあるだろう、と僕は考えています。
毛包は一生の間、内側と外側のさまざまな影響を受けながら繰り返し髪をつくります。頭皮の加齢と毛包の加齢を一緒に考える研究もあります。5
だから、僕は「今まで何をしてきたかは関係ない」とは思いません。
今からでも、自分が毎日しているケアを一度見直す意味は十分にあると思っています。
「年齢だから仕方ない」で終わらせるのは、僕はもったいないと思います
40代、50代、60代。
年齢によって変わることはあります。
そこを無視して「若い頃と同じです」と言うつもりもありません。
でも、白髪が増えた。うねる。細くなった。分け目が目立つ。抜け毛が気になる。
それを全部、
でひとまとめにして、何も見ないまま諦めてしまうのは、
僕はすごくもったいないと思います。
見る場所を変えれば、できることが見つかることがあります。
髪だけを見ていたなら頭皮も見る。
商品を増やし続けているなら、本当に毎日続けられるケアなのかを見る。
洗うことばかり考えていたなら、
洗ったあとの頭皮をどうしているかも考える。
僕なら、まずここを見ます
- 悩みごとに商品や工程が増えすぎていないか
- 髪の表面だけを見て、頭皮の状態を見落としていないか
- 頭皮を洗ったあと、そのままにしていないか
- 無理なく毎日続けられるケアになっているか
そして、抜け毛が急に増えた、毛量が明らかに減ってきたなど、いつもの変化とは違うと感じる時は、「年齢だから」で済ませず、皮膚科などで相談することも大切です。
女性型脱毛症のように、医療として診断・治療を考えるべき脱毛症もあります。日本皮膚科学会にも男性型・女性型脱毛症の診療ガイドラインがあります。7
「全部気になります」と言われたら、僕はこう答えます
白髪も気になる。
うねりも、パサつきも、ボリュームも気になる。
もし僕がお客様からそう相談されたら、最初に商品を四つおすすめすることはありません。
まず、
とお伝えします。
年齢とともに、髪や頭皮が変わることはあります。
でも、年齢を理由に、見ることまでやめる必要はありません。
僕は、そこからだと思っています。
参考にした資料
- 株式会社スヴェンソン「髪・頭皮の悩み実態調査」(2026年9月8日発表)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000275.000015908.html - Tajima M, et al. Characteristic features of Japanese women's hair with aging and with progressing hair loss. J Dermatol Sci. 2007.
PubMed: 17161939 - Nagase S, et al. Changes in structure and geometric properties of human hair by aging. J Cosmet Sci. 2009.
PubMed: 20038352 - Paus R, et al. Human Hair Graying Revisited: Principles, Misconceptions, and Key Research Frontiers. J Invest Dermatol. 2024.
PubMed: 38099887 - Williams R, et al. Getting under the skin of hair aging: the impact of the hair follicle environment. Exp Dermatol. 2020.
PubMed: 32358903 - Williams R, et al. Age-Related Changes in Female Scalp Dermal Sheath and Dermal Fibroblasts: How the Hair Follicle Environment Impacts Hair Aging. J Invest Dermatol. 2021.
PubMed: 33326808 - 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」
日本皮膚科学会 ガイドライン一覧