敏感肌の僕が、浸艶にあえて精油を配合した理由
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「敏感肌のために作ったのに、どうして香料を入れているんですか?」
浸艶のシャンプーとトリートメントには、天然由来の精油を配合しています。不要な成分をむやみに増やしたくない僕が、なぜ精油を入れたのか。
毎日のシャンプーとトリートメントを、
小さな楽しみにしてほしかったからです。
髪と頭皮をケアする時間に、香りも楽しむ。お風呂に入ること自体が、そして、シャンプーとトリートメントを使うのが楽しみになる。そんな小さな幸せも、一緒に届けたいと思いました。
香りをただのおまけとは考えていません。
でも、天然だから誰にでも合うとも考えていません。
その両方を踏まえて、僕が精油を採用した理由をお話しします。
化粧品の香りと、リラックス感の研究
2026年9月30日、第一三共ヘルスケアから、化粧品の香りとリラックス感に関する研究が発表されました。
健康な日本人女性21人が、香りのある化粧品と、同じ処方から香りだけを除いた化粧品を使い、使用前後の気分などを比べたものです。
香りのある化粧品では、香りのないものと比べて、使用前後のリラックス感の変化に統計的な差が認められたと報告されています。ストレス反応を緩和する可能性も示されました。[1]
これは、その会社が開発した香りを、化粧水・美容液・クリームに配合して調べた研究です。天然精油全般や、浸艶の効果を調べたものではありません。
それでも僕は、「何を肌につけるか」だけでなく、「使っている時間をどう感じるか」もケアの価値になるという点に、関心を持ちました。
僕自身、強い香りがつらかった
僕は幼少期から、柔軟剤の強い香りなどで気分が悪くなることがありました。
香りが強く残った服を着ている方と、バスや電車で一緒になる。離れたくても、すぐには離れられない。あれはとてもつらかったです。
今でも、そういう場面はあります。
だから僕は、「良い香りなら、強く残った方がいい」とは思っていません。
使っているときに楽しめて、使い終わった後まで強く引っ張らない。
浸艶では、そんな香りにしたかったんです。
そのために、僕は合成香料の強い香りではなく、アロマテラピーでも使われる天然精油を選びました。香りを楽しむ時間と、リラックスやストレス軽減に関する研究にも価値も感じたからです。
精油の香りには、研究もあります
精油の香りを吸い込むことと、ストレスや不安の感じ方との関係は、これまでにも研究されています。
健康な人を対象にした研究を集めた2014年の論文では、香りを吸い込むことで、ストレスの評価が改善する可能性が示されました。ただ、研究の数や規模が小さく、方法にも課題があるため、確かな結論にはまだ足りないとされています。[2]
2023年には、44件の研究を集め、不安の評価に対する精油の効果を検討した論文も出ています。こちらでも、不安の評価が低くなる結果が報告されています。[3]
つまり、精油の香りへの期待は、単なるイメージだけではありません。ただし、使う精油、香りを吸い込む時間、対象となる人などで条件は変わります。
研究があることと、精油入りのシャンプーで同じ効果が出ることは、別の話です。
浸艶の使用によるストレス軽減が、これらの研究で証明されているわけではありません。
毎日使うものだからこそ、「また使いたい」「今日もこの香りを楽しもう」と思えるものにしたい。僕にとっては、それも大切な商品設計でした。
一度のお風呂で、2つの香りを楽しむ
浸艶は、シャンプーとトリートメントで香りを変えています。
理由はシンプルです。同じ入浴時間に、別々の香りを2回楽しめた方がいいと思ったから。
シャンプーの香り
ノバラ・ローズマリー・ティーツリー
まずは、髪と頭皮を洗いながら香りを楽しむ時間。
トリートメントの香り
ラベンダー・オレンジ・アオモジ
シャンプーをすすいだら、今度は別の香りを楽しむ時間。
僕の使用感では、浸艶のシャンプーは、洗っているときには香りを楽しめますが、すすぐと香りはほぼ残りません。だから、次のトリートメントの香りも楽しめます。
乾かした後まで強い香りを残したい方には、物足りないと思います。でも僕は、使っている、その時間に楽しめることを大切にしました。
なお、精油なら必ず香りが残らないわけではありません。香りの残り方は、精油の種類や配合量、製品全体の処方によって変わります。
天然でも、肌に合わないことはあります
この6種類を選ぶときには、製造元に「精油にもアレルギーのリスクがあることは承知しています。その中で、できるだけ刺激やアレルギーのリスクを抑えた選び方をしたい」と相談しました。
その相談を経て選んだのが、先ほどの6種類です。
もちろん、選んだからリスクがゼロになったわけではありません。
精油は、植物から得られるさまざまな香り成分の混合物です。天然由来であっても、肌への刺激やアレルギーの原因になることがあります。
また、一部の香り成分は空気に触れて酸化すると、アレルギーの原因になりやすくなることも分かっています。[4]
「天然かどうか」だけで、
自分の肌に合うかは決まりません。
香りが苦手な方は、無理に楽しもうとしなくて大丈夫です。使っていて赤みやかゆみ、刺激を感じたら使用をやめ、続く場合は皮膚科で相談してください。
僕自身が敏感肌だからこそ、「天然だから安心です」の一言で済ませたくありません。
香り以外に、品質保持を補助する視点も
精油を採用した理由には、もう一つ、品質を保つための補助的な役割への期待もあります。
例えば、ティーツリーやラベンダーについては、化粧品の中で、他の防腐成分と組み合わせたときの働きを調べた研究があります。
2009年の研究では、ボディミルクの処方で、これらの精油と防腐成分を組み合わせ、細菌やカビなどの増殖を抑える働きが検討されました。特定の配合条件では、精油が防腐設計を補助する結果が報告されています。[5]
ただし、これは「精油を入れれば製品が腐らない」という意味ではありません。実際の働きは配合量や他の成分との組み合わせで変わり、製品全体で確かめる必要があります。
ここでお伝えできるのは、僕が精油を選ぶときに、香りだけでなく品質保持を補助する可能性も考慮したということです。
毎日のケアに、小さな幸せがあってほしい
浸艶を作るとき、僕は無香料にすることを検討しませんでした。
シャンプーとトリートメントは、多くの方にとって日々繰り返し使うものです。だから、ただ洗って、すすいで、終わりにしたくなかった。
「今日はこの香りを楽しもう」
「使うの楽しみ」
そんな気持ちでお風呂に入れることも、小さな幸せだと思うんです。
必要な成分を選ぶとき、僕は髪と頭皮への役割だけでなく、使う時間にどんな気持ちになれるかも考えました。精油の香りに関する研究や、品質保持を補助する可能性も、その判断の背景にあります。
毎日のケアを、ただのルーティーンで終わらせず、少し楽しみにしてほしい。
僕が浸艶に精油を配合したのは、その時間も一緒に届けたかったからです。
参考資料
- 第一三共ヘルスケア:香りを付与した化粧品とリラックス感・ストレス反応の研究発表(2026年9月30日)
- Hurほか:健康な成人のストレス軽減とアロマテラピーに関する研究レビュー(Maturitas, 2014)
- Tanほか:精油と不安の評価に関する44件の研究の分析(Frontiers in Public Health, 2023)
- Sköldほか:香り成分リナロールの酸化と接触アレルギーに関する研究(Chemical Research in Toxicology, 2004)
- Kunicka-Styczyńskaほか:ラベンダー・ティーツリー・レモン精油と化粧品の防腐設計に関する研究(Journal of Applied Microbiology, 2009)